耳の前の小さな穴
耳の付け根や耳輪の前方に、針先ほどの小さな穴として見つかることがあります。
耳の前にある、生まれつきの小さな穴
耳の前の穴から膿や臭いのある分泌物が出る、赤く腫れる、痛む場合は、
先天性耳瘻孔が感染している可能性があります。
Preauricular Sinus
先天性耳瘻孔は、耳の前や耳の輪郭付近に生まれつき小さな穴があり、その下に管状または袋状の組織が続いている状態です。「耳前瘻孔」と呼ばれることもあります。症状がないまま経過する方もいますが、分泌物が出たり、感染による腫れや痛みを繰り返したりすることがあります。
感染しているときは、まず抗菌薬や切開排膿などで炎症を落ち着かせます。感染を繰り返す場合には、皮膚の下に続く瘻管を摘出する手術を検討します。年齢、炎症の状態、瘻管の範囲、麻酔方法などを診察して治療方針をご説明します。
About Preauricular Sinus
耳が作られる胎児期の過程で皮膚の一部が管状に残り、耳の周囲に小さな開口部ができた先天性の状態です。表面からは小さな穴に見えても、皮膚の下で瘻管が枝分かれしていたり、袋状に広がっていたりする場合があります。
穴があるだけで症状がなければ、必ずしも治療が必要とは限りません。白い分泌物や臭いがある、赤く腫れる、痛む、膿が出るなどの場合は感染が疑われます。
掲載画像は疾患の特徴を説明するためにAIで作成したイメージ図であり、実際の症例写真ではありません。症状や形態には個人差があります。
耳の付け根や耳輪の前方に、針先ほどの小さな穴として見つかることがあります。
穴から白い分泌物が出たり、臭いが気になったりすることがあります。
細菌感染を起こすと、耳の周囲が赤く腫れ、熱感や痛みが生じる場合があります。
いったん感染すると再び腫れることがあり、根治手術を検討する理由になります。
強い痛み、急に広がる腫れ、発熱、膿がたまっている感じがある場合は、放置せず医療機関へご相談ください。ご自身で穴を強く押したり、針などで処置したりしないでください。
Preauricular Sinus and Accessory Ear
| 見た目 | 考えられる疾患 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 小さな穴がある | 先天性耳瘻孔 | 皮膚の下に瘻管が続き、分泌物、臭い、腫れ、膿などが生じることがあります。 |
| 皮膚の突起がある | 副耳 | いぼのように盛り上がり、内部に軟骨を含む場合があります。 |
Treatment for Infection
赤みや腫れが比較的軽く、膿のたまりが明らかでない場合は、診察のうえ抗菌薬や鎮痛薬などで炎症を治療することがあります。
膿がたまっている場合は、局所麻酔をして腫れている部分を切開し、膿を外へ出す処置を検討します。傷の処置や通院が必要になる場合があります。
感染を繰り返す場合は、炎症を治療した後に瘻管摘出術を検討します。感染の程度や経過によって、手術時期を個別に判断します。
切開排膿は、たまった膿を出して感染を治療する処置です。皮膚の下の瘻管そのものを取り除く根治手術とは目的が異なります。
Excision Surgery
根治手術では、皮膚の開口部と、その下に続く瘻管や袋状の組織を摘出します。瘻管は皮膚の下で枝分かれしたり、炎症後の組織と癒着したりすることがあるため、診察時にこれまでの感染や処置の経過を確認します。
一度も症状がない耳瘻孔に手術が必要かどうかは、状態、ご本人やご家族の希望などを踏まえて検討します。感染を繰り返す、膿や分泌物が続くなどの場合は、摘出手術を検討します。
年齢、瘻管の範囲、感染後の癒着などによって手術方法が異なります。全身麻酔や入院が必要な場合は、対応可能な医療機関をご紹介します。
Age and Anesthesia
| 乳幼児・小さなお子さん | 手術中に安全に姿勢を保つことが難しい場合は、全身麻酔が必要になることがあります。対応可能な医療機関をご紹介する場合があります。 |
|---|---|
| 学童期以降・成人 | 瘻管の範囲や感染歴などによっては、局所麻酔による日帰り手術を検討できます。適応は診察後に判断します。 |
| 感染している場合 | まず炎症の治療を優先することがあります。感染の状態によっては、根治手術を別の日に計画します。 |
Health Insurance
先天性耳瘻孔の感染治療、切開排膿、医学的に必要な瘻管摘出術は、健康保険の対象となることがあります。ただし、診断、症状、処置内容などによって取り扱いが異なるため、診察後にご案内します。
保険診療の場合も、年齢や自己負担割合、各種医療費助成制度によって窓口でのお支払い額が異なります。受診時に健康保険証またはマイナ保険証、医療証をお持ちください。
Webサイトの情報だけでは保険適用や手術方法を確定できません。実際の状態を診察したうえで判断します。
Aftercare and Risks
手術後に痛み、腫れ、内出血などが生じることがあります。程度や期間には個人差があります。
出血、血腫、感染、傷が開くなどの可能性があります。異常がある場合はご連絡ください。
切開部には傷跡が残ります。赤み、硬さ、色調、目立ち方には個人差があります。
瘻管の枝分かれや感染後の癒着などにより、摘出後も再発し、追加治療が必要になる可能性があります。
洗顔、洗髪、入浴、運動、登園・登校などの再開時期は、傷の位置や手術内容によって異なります。手術時に個別にご説明します。
Doctor
院長 / 日本専門医機構認定 形成外科専門医
耳介と耳周囲の形成外科診療の経験をもとに、開口部、感染の状態、これまでの処置歴、年齢などを確認し、先天性耳瘻孔の治療方針をご説明します。
院長プロフィールを見る →FAQ
耳の周囲の皮膚や瘻管を治療する形成外科で診察できます。症状や瘻孔の位置によっては、耳鼻咽喉科での診察をご案内する場合があります。
穴があるだけで一度も症状がなければ、経過観察を選択することもあります。手術の必要性は、状態、ご本人やご家族の希望などを踏まえて検討します。
皮脂や垢などの分泌物が出ることがあります。赤み、腫れ、痛み、膿などがある場合は感染が疑われるため、医療機関へご相談ください。
炎症が強い場合は、抗菌薬や切開排膿などで感染を落ち着かせてから根治手術を計画することがあります。状態を診察して判断します。
切開排膿は感染を治療するための処置であり、皮膚の下の瘻管は残ります。感染を繰り返す場合には、瘻管を摘出する根治手術を検討します。
手術は可能ですが、年齢や手術中に安静を保てるかなどにより麻酔方法が異なります。全身麻酔が必要な場合は対応可能な医療機関をご紹介します。
感染治療、切開排膿、医学的に必要な摘出手術は保険診療となることがあります。実際の適用可否は診察後にご案内します。
瘻管を確認して摘出しますが、枝分かれや感染後の癒着などにより再発する可能性があります。治療結果を保証するものではありません。
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耳の前の穴から膿や臭いのある分泌物が出る、腫れや痛みを繰り返す場合は、
形成外科医にご相談ください。感染の状態を確認し、必要な治療をご説明します。