眼瞼下垂

まぶたの重さ・視野の狭さを改善する保険診療

まぶたが下がって見えにくい、額に力を入れないと目が開かない、夕方になると目が重い。
こうした症状がある眼瞼下垂に対し、当院では信州大学 松尾法をもとにした眼瞼下垂手術を保険診療で行っています。

眼瞼下垂とは

Blepharoptosis

眼瞼下垂のイメージ

眼瞼下垂とは、上まぶたが十分に上がらず、黒目にまぶたがかぶってしまう状態です。まぶたを持ち上げる筋肉そのものの力が弱い場合もありますが、大人の眼瞼下垂では、筋肉の力をまぶたに伝える挙筋腱膜がゆるんだり、瞼板から外れたりして起こる「腱膜性眼瞼下垂」が多くみられます。
加齢、長年のコンタクトレンズ使用、目をこする習慣、白内障などの眼科手術後、けがなどがきっかけになることがあります。

1. まぶたが重く、視野が狭い

上方の視野が狭くなり、読書・運転・パソコン作業で見えにくさや疲れを感じやすくなります。無意識にあごを上げて見る方もいます。

2. 額に力が入り、眉が上がる

まぶただけでは目を開けにくいため、おでこの筋肉で眉毛を持ち上げる癖がつきます。額のしわ、目の奥の疲れ、頭痛や肩こりにつながることもあります。

3. 眠そう、左右差があると言われる

片側だけ下がる、左右で目の開きが違う、眠そうに見えるなど、見た目の変化として気づくこともあります。見た目だけでなく、機能面の評価が大切です。

保険適用について

Insurance Coverage

眼瞼下垂手術は、まぶたの下がりによって視野が妨げられる、目を開ける機能に支障があるなど、医学的に治療が必要と判断される場合に健康保険の対象となります。二重幅を広げたい、若々しい印象にしたいといった美容目的のみの手術は保険適用になりません。
当院では診察でまぶたの開き、左右差、眉の上がり方、皮膚のたるみ、眼瞼挙筋の働きなどを確認し、保険診療として行えるかを判断します。

1. 診察で適応を判断します

黒目へのかぶさり具合、まぶたを上げる力、視野への影響、皮膚の余り、ドライアイの有無などを確認します。症状の出方には個人差があるため、写真だけで判断せず診察で確認します。

2. 皮膚のたるみだけの場合もあります

まぶたの筋肉や腱膜ではなく、皮膚のたるみが黒目にかぶる「偽性眼瞼下垂」のこともあります。この場合は、眉下切開や余剰皮膚切除など、状態に合わせて治療法を検討します。

3. 急な下垂は早めに受診を

急に片目が開きにくくなった、物が二重に見える、瞳孔の左右差がある、手足のしびれを伴う場合は、神経や全身疾患が関係していることがあります。必要に応じて眼科や脳神経系の診療につなぎます。

信州大学 松尾法をもとにした眼瞼下垂手術

Surgical Treatment

当院では、眼瞼下垂手術で広く知られる松尾法の考え方をもとに、挙筋腱膜とミュラー筋の関係を確認しながら、目の開きの改善を目指します。ゆるんだ腱膜を本来働きやすい位置へ戻し、瞼板に固定することで、まぶたを上げる力が伝わりやすくなります。
単に「ぱっちりさせる」手術ではなく、見えにくさや額の力みを改善し、左右のバランスと閉じやすさも大切にする形成外科の機能改善手術です。

1. 切開線をデザインします

まぶたの状態、二重のライン、皮膚の余り、左右差を確認して切開線を決めます。必要に応じて余分な皮膚や脂肪を調整します。

2. 挙筋腱膜を瞼板へ固定します

ゆるんだ挙筋腱膜を確認し、まぶたの芯である瞼板へ固定します。ミュラー筋への過度な負担を避けながら、目の開きが安定する位置を調整します。

3. 目の開きと左右差を確認します

局所麻酔で行うため、手術中に目を開けてもらいながら開瞼量や左右差を確認できます。必要に応じて固定位置を細かく調整します。

4. まぶたの状態に合わせて縫合します

傷は二重のラインに沿うように閉じます。時間の経過とともに赤みや硬さは落ち着き、まぶたのしわになじんでいきます。

診察から手術後までの流れ

Treatment Flow

1. 初診・診断

症状を伺い、まぶたの状態を診察します。保険適用の可否、手術方法、術後の腫れや通院についてご説明します。

2. 術前準備

手術日を決め、必要に応じて採血などの術前確認を行います。血液をサラサラにする薬を内服中の方は、必ず事前にお知らせください。

3. 日帰り手術

手術は局所麻酔で行います。両側の場合、手術時間は状態により変わりますが、当日は安静に過ごせる予定を組んでください。

4. 術後診察・抜糸

腫れや出血の状態を確認し、通常は約1週間を目安に抜糸します。完成には数か月かかるため、経過を見ながら左右差や開き具合を確認します。

術後の経過と注意点

Aftercare and Risks

眼瞼下垂手術のあとは、腫れ、内出血、つっぱり感、まぶたの開きにくさ、目の乾きが一時的に出ることがあります。腫れのピークは数日から1週間程度で、その後ゆっくり落ち着いていきます。人前に出る予定や写真撮影の予定がある場合は、余裕を持って手術日を検討してください。

1. 腫れ・内出血

個人差はありますが、術後1〜2週間は腫れや内出血が目立つことがあります。洗顔・メイク・コンタクトレンズの再開時期は診察時にご案内します。

2. 左右差・戻り・過矯正

まぶたは左右で筋肉の力や皮膚の余りが違うため、完全な左右対称にはならないことがあります。下垂の戻りや開きすぎが生じた場合、再調整が必要になることがあります。

3. 目の乾き・閉じにくさ

目が開きやすくなるぶん、術後しばらく乾燥や閉じにくさを感じることがあります。ドライアイがある方は、術前から状態を確認して慎重に計画します。

4. 傷跡・感染・出血

傷跡は二重のラインに沿って目立ちにくくなることが多いですが、体質により赤みや硬さが長引くことがあります。まれに感染や血腫を生じることがあります。

まぶたが重い、視野が狭い、額に力が入ると感じる方は、眼瞼下垂の可能性があります。
形成外科専門医が、保険診療の適応も含めて診察いたします。